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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

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超怖かった……

 現代日本で生まれ育った俺に、こんな大きな哺乳類が血を流して、死んでいる様をマジマジと見つめ続ける機会など当然無かった。不気味を通り越して恐怖に膝が笑い始める。


 それに加えて先を歩くオークが突然振り返り、この俺も、狩りの獲物に加えるため、槍を片手に襲い掛かって来るのではと──正直、気が気でなかった。


 幸いにも俺がそんな目に遭うことは無く。案内されて連れて行かれた先には、お目当ての手頃な立ち枯れの木。太さは直径15㎝くらい。種類は多分、(かば)の木?


 気づけばオークは、木を見上げていた俺を1人置いて、どこかに立ち去っていた。

  



 * * *




 緊張感から解放された俺は──多分、20分ほどの時間をかけて、無心に樺の木を切り倒した……のだと思う。


 それから枝を払い、幹を横3等分に切り分け、そのひとつを担いで、2時間以上かけて帰宅。辺りは既に日も傾いて、ネルは腕を組み、イライラした様子ながらも、外で俺の帰りを待ってくれていた。


「こんな時間まで……どこ行ってたのよ!」


 その声を聞くや……安堵の喜びから俺は、担いできた樺の木も、斧も投げ捨てて、ネルに向かって駆け寄り


「ちょ! ちょっ!!」


 困惑する彼女の様子など、おかまいなしに、飛び込むようにして、胸に顔をうずめて、無事に帰宅できた嬉しさを、伝えないでは居られなかった。


「うぷるるるぅあぁぁぁあぅわあぁぁぅおぱぁぁぁっ!?」


「ちょ?! 待ちなさい! アンタ!! ちょ……ちょっと!」


「%#=ぴろぴ~っ☆!? ♢*>#&!! !! ?!」


「え? なに? 森でオークに出会って超怖かった?」


「!£♠<@+$!! /ぷりゅるぷりゅ”ω‰¢∇§Σ !! ?! !?」


「そ、そうなの? 怖かったの?……とりあえず巣に戻りましょ? ね?」


「うぷりゅゆぁД Ξ θ……ぅぅ……」


「分かったから。分かったから……。あぁ……もぅ、おっぱい掴むな。痛いっ」


 こんな俺にも、ネルは相変わらず優しかった……。

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