表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
441/1638

長い年月を経て生み出された品種

 百合の紋を甲冑の随所にあしらうブロンドの少女の言葉が、その場に駆け寄った彼女たちの共通の感想らしい。


「お気に召して頂けたか?」後ろから、青鹿毛(あおかげ)を寄せて、声をかける。


「……こいつらは、この馬体の品種の中でも選り抜きの名馬たちだった奴らだ。デズデモーナは、今俺が乗ってる馬を……って言ってたけど」


 話ながら馬場の馬の一頭のに目をやると――目が合った馬は俺を見て馬鹿にしたように歯を剥いて、(いなな)いた(……馬刺しにして、食っちゃろうか)


「多分……君らの競技には圧倒的な斥量(せきりょう)を持つ、こいつらの方が向いてると思うけど……どうだろ?。まぁ、乗ってみるのは明日にして……とりあえず」


 落ちて行く日に手をかざし見て――皆を屋敷に招待することにした。




 * * *




 ――2週間が経った――


 デズデモーナたちが、やって来たその日の内に、アラーニェのスコラスチカと顔を合わせてしまい、その異形を目の当たりにし、大騒ぎになったことや――。


 メルトゥイユが悪魔を模したグロテスク・アーマーの彼女に、外套のフードから顔を見せた瞬間、本人だと看破されてしまったこと。


 屋敷の片隅に建てられた礼拝堂で、そのメルトゥイユに泣きつき――よしよしされながら慰められる、女神アレクサンドラの姿を何人かが直接目にしたこと。


 そしてネルが、彼女たちの信仰の敵と定められる竜そのもの……であるということが、一気にバレてしまい、騒動が巻き起こったこと以外には、なんの問題も無く日々が過ぎていた。


 いや、まぁ……


「なんの問題も無く」では無く……問題ばかりが、噴出し続けた……しょーもない漫才めいた、毎日とも言わないでもない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ