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じゃれ合う娘っ子2人 渦巻く空気はバトル物

 自身の胸に両手をあてて、宙を見上げ――なにやら浸る悪魔。


「……あんまりロクでも無いこと考えていると、義妹たちに消し飛ばされるからな」

「心得て御座いますとも、御主人様♪」


 むしろ消し飛ばされてくれた方が、世のため人のためなのは間違いない。 


「あ……そうでした。ご主人様? お耳を、お貸し下さいませんでしょうか?」


 そう言って、俺の耳に口を寄せる悪魔。


 なにを聞かされるのかと思い、身構える俺。けれども、アルパゴンが囁き声で聞かせたのは――出会ったその日に『自身の存在以上に大事なもの』であると話して聞かせた、彼の本当の名前。

 

「ご主人様に、お仕えする忠義の証に……で、御座います。くれぐれも御内密にお願いいたします♬」 


 それを告げると、悪魔は一礼して、小走りに どこかへと立ち去って行った。




 * * *




 ――晴れたある日――


 領域と、うろくづの森の境界。


「イイっくぞぉー! スキュデリぃ!」

 声を張り上げるウルリーカと、静かにそれに相対するスキュデリの手合わせの場にーー見物というか、こいつらが加減の域を誤らないよう、立会い人として、付き合う羽目に。


 それは長閑な公園で遊ぶ、子供たちを見守る保護者の役割に似る……が、その緊張感足るや、そのような生易しいものでは断じてない。

 

 2人の様子を腕を組んで見守るクィンヒルデ。小太郎をソファー代わりにして、おやつを口に運んで観戦モードのヴィルマ。


「ツガータ!」面白いオモチャを見つけたとばかりに欠食児様は、こちらに声をかけて来る「わしとトトカルチョをせんか?! わしはウルに賭けるぞ!」


 賭けに勝っても負けても、面倒臭そうな予感しかしない申し出をスルー。

 ヴィルマは、唇を尖らせたが――すぐにそれを忘れて、目の前で対峙する2人に視線を移していた。


「手合わせ……って、範囲なんだろうな? クィンヒルデ?」

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