はいぱー・ぽりぐろっと
「……挙句の果ては『目が疲れたな……オイ。おっぱいでアイマスクしてくれ』ふ、ふっざけんじゃ、無いわよ……」
「……え~っと……愛してる……ぞ? ネル?」
お話にならない緊急避難。なんて薄っぺらい御機嫌取り。
そして、その一言が ネルの忍耐の限界を超えてしまう。
「ふっざけるなぁーーーーーーっ!!」
「や、マジマジ、マジでマジで。愛してる愛してる。てか俺、そこまで悪いことしたか? ん? お前に勉強教えて貰ったお陰で、要領が掴めたから、ちょっとの間──いくつかの言葉を覚えるために、勉強してただけ……だろ?」
「……へ、へぇ。いくつかの言葉を、勉強なさっておられたと。い、いくつ?」
「え~っと……。エルフ語、古代エルフ語、ドワーフ語、コボルト語、ゴブリン語、オーク語、リザードマン語、オーガ語、トロール語、古代語、上位古代語、古王朝諸語……ついでに大学で講義を取ってる、英語とフランス語。あと、興味が湧いたドイツ語、イタリア語、ラテン語、スペイン語、ポルトガル語、北京語、広東語、ヒンドゥー語、アラビア語、スワヒリ語。……まぁ、こちらの共通語と英語以外は、どれも簡単な会話と……あんまり難しくない、内容の読み書きに限られるけどな」
「それを覚えるまでに……要した期間は?」
「や~。鼻の奥の幻臭に悩まされて、大変だった大変だった。……大体、ひとつの言語覚えるのに3ヶ月半くらいか? 特に古王朝諸語は、難しかったのなんのって……7年くらい頑張ったのか? あとリザードマン語な。舌先が、二股に分かれてるのと、思考形態が全く違っているやら、骨格が違い過ぎるらしいやらで、発音が……も~ね? ホント、ナイトメア・モードのぶっ飛び方だったわ」




