お勉強の成果をお聞かせ願おうか
「じゃあハイっ 並んで並んでぇ~?」スコラスチカの明るい声。
俺たちを一箇所に集めると彼女は、それぞれの背中に細い糸をくっつけて――「迷子対策完了。糸を通して話は、こちらに聞こえるから。なにかあったら、ただしゃべってくれればいいわ♬」樹の上に登って待機の構え。……重要と言えば重要に思える。多分、遺跡の内外では『陶片』は使えないだろう。……良く分からないけど。
今回の主役であり――最大の不安材料。
魔術師の娘たち6人に目を向ける。
「なんやぁ~? うちに惚れおったかぁ?」
……バカは置いといて。彼女たちに一声かけておくことに。
「呪文書読んで、覚えた魔術を改めて一応、聞かせてくれ」
その言葉に彼女たちは誇らしげに――自身が新たに身に着けた魔術についてを説明してくれた。
「ヴィヴィ」
「日和見の靴! のみ!」
「……ギアネリ」
「南を指す杖や。精度は上がった思うで……」
「シルシラ?」
「ネズミ除け……狩りをする……猫の気の護符、ノミ、ダニ、シラミ除けに使える……密なる……櫛の歯の護符、……猛る雀の護符、……これは……作物の……害虫除け」
「ゲルダ!」
「なんで、私の時だけ苛ついた声なのよ! ……占術! 幸運を呼ぶかも知れない絵札占いと、幸運を呼ぶ的な水晶占い! ……水晶は、まだ持ってないけど。あと! 幸運になれるかもぉ~的な? 占星術! って! 遺跡に潜るなら星見えないじゃない?!」
「イープぅ」
「小さな火種を起こす、ささやかな火と……、触れた物を一定時間が過ぎたあとで発火させる、忘れ得ぬ火種を習得しました」
「そう。君、イイ子。そういうのを期待していたんだ……その調子で、今後も頑張って行くんだぞ?」
「最後、アスタ」
「くっくっく……私の魔術の奥義を知r」
「……良いから、さっさと言え。大して期待もしてねぇから」




