女性経験とか無いしね。もう流されちゃうよね
背負ってアパートに連れ帰った彼女は、まるで俺の考えが読み取れているかのように、俺が〝思ったことに〟対してすぐに返しながら
躊躇う様子も見せずに下着1枚残さず
「よっ♪ ほっ♬ ……っと♡」と、掛け声の元に服を脱ぎ散らかして
俺の困惑と物怖じなど、御構い無しに。俺を押し倒し馬乗りになると――心臓を鷲掴みにするような潤んだ瞳で。
「……本当は、順番とか……もっと、上手にやりたかったし、
気持ちの整理とか……色々待ってあげたかった気持ちも……
ほんの少し、ほんの少しだけ……あったんだけど
……ゴメンね。
おんぶされてた時、アンタの匂いを久しぶりに嗅いで……
アタシ、もう……我慢出来無いのよ……」
(えっ……な、何? ここに来ての……その反応。てか、久しぶりに? 俺の匂いを嗅いだせいで?)
「……ま、そー言う訳だから♪ 今からアンタを襲っちゃいまぁ〜っす☆ 大丈夫だからねぇ♪ ぜぇんぶ、アタシに任せてたら、すぅ~ぐ気持ち良くなれるから♡ マグロさんでオッケぇ♫ 最後に合意の形になってれば問題ナッシング♪ 怖く無〜い、怖く無ぁ〜い♡」
言うや、いきなり元のキャラに戻った(?) 彼女は── 俺のか細い抵抗を嘲笑うかのように、あっと言う間に自分のペースに津波のように呑み込んだ。
グラビアなどでしか見たことも無いゴージャス過ぎる艶めかしい身体と、乳輪脇のエロ過ぎるアクセントとして作用した小さな黒子。
──そして
「赤ちゃん産んだことも無いのに出ちゃうのよね……物凄く無意味だわ。胸元も濡れるから、小マメに着替えなきゃいけないし……」
絵空事のように現実離れした彼女のヴィジュアルの対極。
生々しく卑猥に滴る彼女の母乳。
それらを寝食も忘れて貪るように求めるに至って、俺の理性など木っ端微塵に粉砕され……。
ネルと出会った その日から──幾日もが経過してしまっていた。