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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十一章:魔術師の娘たち

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黄昏

 増えた住人のおかげから、洗濯物などで、てんやわんや……かとも思ったが――洗濯物はあちらから持ち込んだ、洗濯機に放り込むだけだったし、それらを干す作業や、掃除などは各々に任せ、手の凝った料理を作ることだけにカロリーを集中するという……。


 人手が増えたことによって、むしろ彼女の仕事は大幅に減り、暇な時間は大好きな焼酎を抱えて(さかな)のアタリメを齧りつつ、吞んだくれる......怠惰なものになっていた。


 それでありながら、あのプロポーション。解せぬ……。


 俺はバルコニーの椅子に掛けて――先日、義妹オーサに見繕って貰って積み上げていた本の消化にかかる。


 手に取った本は、どれだけの時間を経て、人の手を渡り歩いたのかも分からない、古書と呼べるもの。表紙の文字は、かすれ果てて読むこともできない。


 本を開いて、読み耽ること1時間ほど。


 こちらの技術で製本された本は、羊の皮を用いることから、本の厚さに比べて、ページ数は少なく――内容の理解には、時間を取られるものの……あっと言う間に、読み終えてしまう。


 手に取った本は、かすれて読むことができない表紙のお陰で、最初は分からなかったが……。


 中頃まで読み進める頃には、魔術を研究する人物が記した――こちらでの近代に伝えられる魔術の呪文が(近代と言っても、それでも2百年は昔の話であるようだったが)、劣化してゆく変化の様子を嘆き、警鐘を鳴らす、啓発本のようだと理解することができた。


(……あんたの心配どおり……魔術は、もう駄目みたいだわ)


 数日前に芸人どもが披露してくれた、魔術を思い出す。


 魔術か? あれ? そう問いたくなるような……子供騙し。そこに夢も希望も残っていないことは間違いない。


 ――読み終えた本を陶片で記録して、次の本を手に取る。

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