とんがり帽子の6人
自室に戻る廊下を歩き、魔術というものには絶対に触れ無いようにしようと、固く胸に誓って――。
そんな訳で、今日も俺は。元気一杯に全力でヘタレていた。
* * *
晴天の夏日和ではあったが、湿度の低いこちらは過ごし易く――穏やかな風も吹く街道へと至る道は心地好く、絶好の外出日和。
ギルドの運営が教会に変わって以来、街道や街の外に、たむろしていた盗賊たちも、体重1tにも達する重馬ペルシュロンを駆る、頌の部族の若い戦士たちに追い立てられ、狩り尽され――今となっては戦いに飢える部族の戦士たちを嘆かせるほどに、鳴りを潜めていた。
(……安全。実に素晴らしい)
武器をチラつかせる、追いはぎも出なければ、剣を振り回す必要も無し。俺は、こちらにやって来て以来、初めてと言って良いほど、領域の外の景色を堪能。
「どーしたらえぇ? ……ねえちゃん」
「あんたが悪いんやろ……人の話を聞かんからや」
遠目に一目見た限りで――少女の身体つきだと分かった。
街道へと至る小道の脇、10メートルほど離れた草の上に腰をおろし、こちらに背を向け――ハロウィンのコスプレで見られるような、先の尖った帽子を被った6人が、なにやら相談し合っている。
低めの位置で結んだブリュネットの短いツインテール、黒髪の少し長めのボブ、背中に届く伸びるに任せたクセのある――あちこち跳ね気味な黒髪のロング、真っすぐで見事な烏の濡れ羽色をしたロング、自分で前髪を切り揃えようとして、……失敗してしまったかのような黒髪のセミロング、明るい髪色のショート。
彼女たちは皆、同じような魔法使いか、魔女を思わせる――ゆったりとした暗い色の外套と、先ほどのとんがり帽子を身に着けていた。
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