表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十章:名も無き森のアラーニェ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

367/1638

魔術教えて♡

 それを願ったところで、無駄なことに違いないと考え……口にすることはしなかった。迷惑であることに違いは無いのだが……。


「納得いかんのじゃ! こうなったら、ウルの奴めに黒い肌のエルズュリの加護を降ろして、ツガータと電子音させてやるのじゃ!」


 自分ひとり難じられ――その後は和気藹々(わきあいあい)と朝食を摂る、俺たちの様子に腹を立てたのか……ヴィルマは一人、食堂から駆け出して行く。


 朝からまた……なにやら、ロクでも無いことが起こりそうな気配……。


 ウルリーカとの森の中での一件が、皆に知れ渡ってしまったあとではあったが――。


 デシレアと約束した手前、射撃練習を日課とすることを決めた俺は、レンジに向かうため席を立つことにした。


 きっと昨夜の非道を難じられる、この場から逃げ出す口実くらいには……なるに違いない。




 * * *




「魔導書と言うものはね。義兄様(にいさま)。軽々しく魔術を身に着けられるといった……都合の良いものでは無いの」

 

 地中の奥深く、脈窠(すかり)に産出する黒い水晶に囲まれて、全てが黒曜石で作り上げられた墓所の様な城。その片隅に建つ、図書館の本棚を前にして――黒髪と黒い瞳、白磁を思わせる肌の義妹(いもうと)、オーサにそう説明される。


「……まぁ、俺の読解力で、どうにかなるとは、最初から思ってはいなかったけどもな。やっぱり……凄く難しいのか? 象牙の塔に籠もる覚悟が必要だったりするのか?」


 以前、ネルから耳にしていた魔導書についての半可通(はんかつう)の知識。


 多くは古代語、上位古代語、古王朝諸語といった――俺も習得には酷く骨を折らされた、これらの言葉で記された本。


 読み解くことで、この世界には存在するという「魔術」を学ぶことができると聞き、義妹の住まいに暇つぶしがてら、アレコレ持たされた手土産を片手に押しかけて、本当に興味本位で訊ねてみたと……まぁ、こういう次第。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ