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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十章:名も無き森のアラーニェ

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色気をふり絞られましても

「オレを闘諍で(くだ)したんだ……無理矢理にでも……強者の種を孕ませて貰うぞ! ツモイ!」

  

 こいつが……考え詰めた末に、こう言う行動を取ったのであろうことは……まあ理解できる。ネルと話はつけた? それも……まぁ、この時点にくれば、おおよその内容は想像がついた。


 しかし、俺は。ウルリーカの一大決心とも、蛮勇とも、勇み足とも取れる彼女の、この行為に対して――非情にも。


 爆笑でもって、応えてしまっていた。


「なっ?! なに笑っていやがる!? 有り得ねぇだろ!! オイ! ゴルアァ!!」


「ひっ♬ や、やめて! 死、死んじゃう! 俺、死んじゃうから! ぐははははははははははははははっ~~~!?」


「ふざけんな! マジふざけんな!! どんだけ勢い込んでオレが……」


「あひぃ~っ! ひいぃ~~~っ! やめて! その顔で凄まないで! 死ぬる! 笑い死ぬからぁ~~~~~~?!」


「オレが……不細工だってカァアアアアアァァァァッ!?」


「ち、違っ! かっ鏡っ! 鏡っ!? ひいぃ~~~っ! ひいぃ~~~っ!」


「……分かった」

 

 ベッドの上で笑い転げる俺の上で――怒りに、ぶるぶると身を震わせ、ウルリーカは咆哮を轟かす。


「ツモォイっ!! てめぇを殺してから死んでやるァ!」


 両手で首をしめようと差し伸ばす腕を――必死に掴んで阻み、ギリギリと寝室で(しのぎ)を削る俺たち2人。


 ……が、笑い過ぎで呼吸もおぼつかない。おまけに女性とは言っても、オークの筋力に人間の俺が抗える訳も無い。


 扉が勢い良く開け放たれ、息を切らしてネルが、クィンヒルデとスキュデリを連れて――部屋の灯りのスイッチを入れる。


「ちょっ!? ウルリーカ! あんた! なにやってんのよ?! プレイにしたって激し過ぎでしょ!(……プレイとか言うな) こら! やめなさい! やめ……やめなさい!」


「止めてくれるなァア、嗚呼ッツ!」

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