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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十章:名も無き森のアラーニェ

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お前は一体、なにをしているんだ……

 銃を折って、紙箱から取り出した弾を込め、そして――おっかなびっくり射撃練習を開始。




 ――2時間後――


(き、気分が……)屋内に反響する発砲音に全身を――平手で打つように叩かれ続け、立ち込めるガン・スモークの匂いにもやられた俺は、項垂れて部屋をよろめきながらに転がり出る。


 的に弾を当てるどころの話では無かった。まずは射撃と言うものに慣れるところから始めなくてはならないとは……。


(……?)視線を感じて――胸を押さえて、青い顔のまま、そちらに顔を向ける。


 視線の主はウルリーカ。廊下の曲がり角から身を隠す様にして――こちらを……窺っている様子?。


(……………………)


 朦朧とする意識は、回復し始めてはいたが……。気分も優れずーー声をかけるでも無く、そちらを見つめ続けていると、慌てた様子で、身体を引っ込めて立ち去って行った。


 彼女に銃を見せたことは無い。いや、ひょっとしたら納屋などに銃を放り込んだりしていた折りに――目にしたことなどは、あったのかも知れなったが。


(漏れ出ていた発砲音に……興味を持ったのか?)


 先日、俺が彼女に用いてハメた罠の陰湿さを考えれば――争い事に並々ならぬ情熱と心血を注ぐ、オークの彼女が関心を示すのも……まぁ、理解できる。


(別に、こっそり様子を伺わなくても……こっちに来りゃ見せてやるんだが?)


 思ってみてもウルリーカは、既に立ち去ったあと。

 今更、思ってみても仕方が無い。


 痛ましいまでの武器オタクの気があるあいつに、その内、見せてやろう……。


 気分も身体も、その頃にはもう調子を取り戻していた俺は――。

 そんなことを考え、レンジに戻っていた。




 * * *




 ――その日。


 ウルリーカは、終始おかしな様子を俺に見せ続けた。一言で言うなら挙動不審極まる様子で、こちらの様子を窺い続けていた。

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