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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十章:名も無き森のアラーニェ

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依頼者と対面

 暇を持て余して断る理由も、特に無い俺は――ご希望に応じることにした。


 彼女の話は森の中を進み、屋敷に戻る途中の道すがら聞かされていた。スコラスチカが興味を示した、この身体のデタラメな再生力。


 彼女はやはり――その様なモノでは無く、それ自体では無く。

 誰かを癒す方法を求めていた。


 そして、その力をもたらすボトルを是非、少女に使って欲しいと――、それまでのイメージを、かなぐり捨てるかの様に懇願した。


「スコラスチカはね? コレを……って」


 現世の薬局で購入してきた100mℓのガラスの小瓶、淡い琥珀色のジュースを手渡す。


「これは?」


 不自由な目の代わりに、まず手で瓶の形を確かめ――顔を瓶に、くっつけんばかりに近づける少女。


「目を治す薬だってさ。貸してみ? 開けたげるから」プルトップを引き、蓋を剥がす様にして瓶を開ける。瓶の口から微炭酸が弾ける音「……少し、刺激があるかも知れないから注意して飲んで?」


 少女は、恐る恐る瓶に口をつけた。それに合わせて、後ろ手に隠し持った『ボトル』に彼女の目を癒すように頼む。

 

 みるみる彼女の目が、焦点を取り戻すのが、表情となって表れ、「奇跡」と彼女は、口にする。


 食物繊維とビタミン過剰な、製薬会社のジュースに――そんな奇跡を起こすなんて、できるハズも無い訳だけど。


 目が見えるようになった喜びを、噛みしめるのも束の間――少女は再び、スコラスチカの安否を訊ねてくる。


「心配しなくても……髪が伸びたら、また切って貰いに来るってさ」


 俺の言葉に安堵の吐息。再度、彼女は喜びの声。


 念のため、しばらくは、日中の強い光に気を付けるようにと言って聞かせ、近所だという彼女の家に、スキュデリに頼んで送り届けて貰う。

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