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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二章:シルウェストリスへ

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おっぱい払い、足場固め

「完璧に整い過ぎると、やれ『人間味が無ぁ~い』とか? やれ『不気味の谷がぁ~』って、誰彼、好き勝手に言い始めるでしょ?」


「………………」


「つまりはね? 生まれながらにして、あらゆる存在の頂点に君臨する、龍であるこのアタシには──ツケ入る隙と言うものが、添えられて……」

  

 泣きボクロを見せつけるように、顔を近づけ


「初めて! あえて切り欠くことによって、美しさ際立つ──ギリシャ彫刻のトルソーの如くに、その魅力は完成を迎えると……そーゆう、訳ですよ♪ 旦那」

 

 ──溜息が、ひとつ口をついて出た。


「長々、要らん説明を聞いて損した……俺の時間を返せ」


「……ご、ごめんなさい。……お、おっぱい払いで、お願いします」


 大根丸出しの、安っすい悲しみに暮れる表情を作ってから、胸を差し出す彼女。


 てか、なんだ? おっぱい払いって。


 言いたいことは──、分からんでもないが。

 

「それを口にしたら、また容姿が元に戻る期間が伸びちまうんだろ?」


「でも結局、毎晩欠かさず、ちゅうちゅう♬ 吸っちゃってるわよねぇ~?」


「……おのれ……おのれぇ……まったく話が進まん……進みゃしねぇ……」


「──? で? なにか御用だったの?」

 

 重ねた食器をテーブルに置いて、ようやく話を聞いてくれる御様子。


 ……聞いてくれると、イイなぁ。

 

「こちらの世界にも人住んで居るんだよな? ……って、ことだよ」


「まぁ、普通に。それがどうしたの?」


「言葉とか、こちらの人たちの生活のこととか、色々教えてくれよ。どーせ長く、何年も、こちらに留まることになるんだろうしさ?」 


「なんだ……そんなこと? 別にイイわよ♪ でも……スパルタで行くから、覚悟しなさいよぉ~?」


 意地悪そうに目を細めて、ネルは外連味を利かせた表情を作ってみせる。


「お手柔らかに頼むわ……」


 たったこれだけのやりとりに疲れ果て……また溜息が、ひとつ口をついた。

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