女神殺し
「……あ、あの? 申し訳無いのですが……話だけでも聞いては、頂けないでしょうか……?」
最初に口を開いたのはアレクサンドラ。いきなりの拒否に俺の真意を図りかねる様子で、下手に下手に――話を突っぱねる俺の牙城を、突き崩そうと試みるかのように。
俺は手繰り寄せて、手にしていたバスローブを手放すと、ジャスティス棒を隠しもせずに全開で、アレクサンドラに歩み寄っていた。
「えっ……? ちょ、ちょっと? あの? 百千万億さ……ん?」
アレクサンドラは、ひきつらせた顔を青くして――腰を抜かしたように座り込み、這う這うの体で、壁際に後ずさって、俺に追い詰められる格好に。
「大体、自分を信仰してくれていたメルトゥイユを……。ネルに持ち掛けられたからって……アッサリ切り捨てた、あんたの頼みを聞いて一仕事? 一体全体、その頼み事とやらのどこを信用しろと?」
キリっと、引き締めたケツに、えくぼを作り ランウェイを歩く、モデルの如き歩みで、俺はアレクサンドラにゆっくりと迫る。
歩みに合わせて、ぷるぷる揺れて震えるジャスティス。
「ちょ! ちょっと! つ……百千万億さん! 待って下さい!」
声を震わせて、怯えた声をあげるアレクサンドラ。
「いいや、待たない……あんたのような邪悪女神……許しておいてなるものかッ!!」
「ひっ?! ネル様っ! あなたの! あなたの御主人様を! と、止め……」
アレクサンドラが、必死に助けを求めるものの――
「え~っ♪ なんだか面白そうだから、アタシ大人しく見てるぅ♫ 3歩下がって、つがいの影踏まず的な? なんかゴメンね☆」
ネルは、面白い見世物だと思ってくれたらしい。女神の言葉を聞くことも無く、見物を決め込んだ――そうこうしている間に、俺はアレクサンドラを壁際に追い詰めていた。
「分かるか?」
「……ななな、なに……が……で……しょ……うぅ……」




