超時空人型兵器 ヒトトセくん
生かしておかないと自白も、苦役を課す労働力も得られない訳だし。クィンヒルデもスキュデリも出て行った。分からないハズも無い……。
心配するだけ無駄なことに頭を悩ます必要も無い。俺にもチーズの世話やら、トキノたちをローテーションで現世のネットに繋いでやるなど、やるべきことは山ほどある。
部屋で着替えると、その日俺は――まずはチーズをブラシで磨く、作業から片付けることにした。
* * *
クィンヒルデたちを送り出してから、2週間ほどが過ぎたある日の夜。
「ヤルわよ! アンタぁ!!」
「……は……ぃ」
ネルの提案で、その夜――。
夜の営みのマンネリ化を予防すると言う名目で、ロボットアニメの合体シークエンスをエッセンスとして取り入れての――きゃっきゃっうふふ……というには、あまりにも気乗りがしない、お勤め……いや労役? 苦役? ……兎も角。そんな類のものに興じてみようとの話の流れに……なぜか、なっていた。
「なぁ……ネル? やっぱり、やめない……これ?」
そもそも『おにんにん』は臆病な生き物なんです。ロボットアニメの合体音みたいな「がっきーん!」とか「じゃっきーん!」だの……そんな勇ましい金属音。おにんにんちゃんは怖がりますから「きゅいィっ?!」って怯えた可愛い声を上げて、縮こまって自分の身体の中へと巣穴に引き籠る……げっ歯類さながらの可愛らしさで潜り込もうとしますから!。
これを否と言う男性が居るならば問いたい――正気か?。
貴方の育てて慈しんできた おにんにんは、ガッキンガッキン音を立てるプレス機の稼働音が大好きなんだろうな? ジャキーン! と硬質な音を響かせる鋏を相手に、危険と戯れる様な命知らずな相棒だったりするんだろうな?。
(…………お、おあああああっ……暴走するイメージに殺される)




