表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二章:シルウェストリスへ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/1638

ちちぢから

「ここには、アタシが認めた相手以外、普通は入り込めないハズなんだけど……たまぁ~に入り込んで来る例外も居るのよね。花さんも、そうなんだけど。ここに来てから小太郎くんを産んで居着いちゃったのよ……」


「なんかまるで……。最近、御近所に越して来た、ゴミ出しのルールを守ってくれない、困った奥様の話でも……してるみたいな話ぶりだけど……。相手は、正真正銘の人喰い熊な訳だよな?」


「でも『食べる分』だったら仕方無いじゃない? 花さんも『人間なんて、骨ばかりで食べる所も少ないし……美味しくも無いから、ホントは食べたく無かった』って、言ってたわよ?」


(花さんの胃袋に納まった農夫が哀れでならない……それよりも、素で怖ぇよ)

 

 窓の外を見てみると先程から、コチラを覗き込んでいる花さんと目が合う。


『人を喰ったことがある』と言う、花さんのプロフィールを聞いた後では──この熊の、俺を見る視線が、獲物を品定めする目に思えてならない。


(実際、俺はこいつに頭を割られ…………)


「てか、さっき俺は……その熊に襲われて……。なんで生きてるの……俺?」


「……それは多分。アンタが飲んだ、アタシのおっぱいの影響じゃないかなぁ……と」


「おっぱい?『この場所』だからと言う訳じゃなくて?」


「……多分」


 おっぱいの効能についての情報が追加された瞬間。


「あの時『声』が届いたから慌てて駆けつけたんだけど……。その時には、花さんに壊された頭は、もう元通りに治ってたわ。花さんにも……ちゃんと前もって、アンタを紹介しておくべきだったのにね。……ゴメン」


「……身体も……問題無いようだし……いいよ……もう、別に」あまりにショックな言葉に──力無く返した後で


「ところで、ひとつ疑問なんだけど……」


「なぁに?」


「生まれ変わる以前の俺って、お城だった巣の途中にあった、岩棚で足を滑らせて死んだって聞いたけど……。この出鱈目(でたらめ)な再生能力が、おまえのおっぱい吸って現れるんだったら……その時の俺って、死んで無かったんじゃね?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ