パパとお前だけの秘密だぞ?
「――? どうした」
「……こういうのは……まだちょっと……私には早いかなぁ……」
「何が――」
《つかぬことを伺いますが……突かぬのですか?》、《おっぱい120センチメートル》、《喪服よさらば ~あんさん堪忍したって! 邪法荒縄緊縛~ 桃色に染まる背徳の柔肌》、《パンストだよ全員集合!! ~110デニールの恋~》、《痴女優 vs. そば打ち職人》
俺がネルと出会う前に――こっそりダウンロードして、フォルダに紛れ込ませたまま忘れていた、マニアックかつ、色っぽい動画の数々が……。
分割されたディスプレイ上に、それぞれ表示され、あられもないシーンが一斉に再生され始める。途端に咲き乱れ始める淫靡の花。
「……トキノ」
「うん……」
「お前には……まだ早い。あとこれは……パパと、お前だけの内緒だぞ?」
「……うん。なんだか私が悪いことして……。それをぱぱが、そっと胸に秘めておいてくれるみたいな口振りが……娘としては……少し、複雑な心境だけど……分かった」
「ありがとう……分かって貰えて、パパは嬉しいよ。あと、何か欲しいものは無いかい?」
「口止め料?」
「あぁ、口止め料だとも!!」
* * *
トキノが要求してきた物は、予想どおりというか、当然というか――分かりきっていたもの。
――「情報」――
トキノは、現世におけるネットと接続しての情報収集を求めてきた。俺はこれを快く、承諾。なにせ口止め料! 是非も無い!
世界の安寧と、自分の後ろ暗い動画フォルダの秘密を天秤にかけて、俺は迷うこと無く、後者を選択してみせた訳だ。
あっさりと認めてみせたことにトキノは、驚きの表情。
「良いの? ぱぱは……私を技術的特異点と考えて……ネットワークと接続することを警戒したりしないの? 私が、その気になったら人類滅亡……待った無しかも知れないんだよ?」
終始目を丸くして、俺の真意を測ろうとしていた――が




