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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二章:シルウェストリスへ

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森で熊さん

 ──作業に没頭してしばらく。不意に辺りに漂って来た、ツンと鼻をつく臭い(……獣クサイ?)


 ぺっちゃぺっちゃ……むっちゃむっちゃむっちゃ……


 臭いの正体はすぐに判明。


 いつの間に現れたのか──背後に小さな、可愛らしい子熊がやって来て、笊の上に置いたブドウ二房を、夢中になって平らげていた。


 口周りを、餌食にしたブドウの果汁で赤く染める、子熊の存在に驚き、(なご)んだのも束の間。それどころでは無い状況に泡を食う。


(まずい……まずいまずいまずい! こんな小さな子熊……絶対、近くに母親が居r)


 近くの茂みが、音を立てて揺れた。


 そこには、我が子を護るために立ち上がった、母熊の姿。


「……で、デカい」


 立ち上がった母熊は、見た限りで──頭のてっぺんまで3m以上。体重は800㎏は、優に超えそうなサイズ。


 詳しくは無かったが……間違い無く、あちらの世界に存在するグリズリーや、ヒグマなんかより、よっぽどデカいに違いない。


 コ、コ、コ……コワイ! コワイ!! コワイ!? コワイ?!


 こ、こ、こ、こーゆう時はぁ……アレだ。


 ……目を、あわせたままぁ……し、刺激しないようにぃ……後ずさってぇ


 ……距離を取ってぇ、膝下にぃ……タックル。

 ……距離を取ってぇ、膝下にぃ……タックル。


 組みついたままぁ……流れるように背後に回り込んでぇ……全力で、チョークを決めてぇ……倒す。そして、そこからおもむろにィ……死んだふりをしながらぁ……ダッシュで逃げてぇ……。


 パニックになり、もはや我ながら……。なにを考えているのかも、分からなかった……。


 そんな状態ではありはしたものの。


 熊に出遭ってしまった時の正しい対処方法と、間違った対処方法を混同させつつも、本能が告げる恐怖から、母熊との距離を後ずさりながら取ると言うことは一応、実行できていたらしい。

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