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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二章:シルウェストリスへ

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……適応しちゃたよ

 突然の声に驚いて、麦わらでは無く、作業に用いていた薪割り台を叩いて大きな音。


 冷やかしにやって来たネルは、出会った時に着ていた服は、こちらでの日常生活に不向きらしく(もっとも、あんなドレッシーな服が、どこであれ普段着に向くとは思えないけども)


 今はドイツ・ビール関連の売り子の女性が着る様な服に着替えて、普段着としていた。


 現世ではディアンドル? ……とか、言うらしい。


 大きな胸が、これ見よがしに強調されて、これも……すこぶるエロい。


「……はぁ」自然と、ため息が口をつく。


「やっぱり……あちらでの生活が……いい?」


 心配してくれているのか、側にやって来たネルは、俺を気遣うように


「なんだかな?」


「……うん」


 静かに寄り添って、俺の話に耳を傾けてくれていた。


「……ここでの生活……もう……慣れちゃった……あんなに抵抗あったのに」


 よほど予想外の言葉だったのか。一瞬、面食らった表情を見せたネルは、口元を隠して 可笑しそうに笑い声をあげる。


 思うさま、楽し気な声をあげた後で──


 「住めば都でしょ~♪ おまけに夜は、綺麗なつがいのお陰で、都どころか天国だもんねぇ~? うっらやましいィ♬」


 背後から、俺の首に腕を廻して抱きつき、胸を押し付けて来る。背中に感じる、2つのぽっちりの感触がエロい(こ、この……おっぱいが! このおっぱいが、俺の人生を狂わせる!!)


 しばらく、戯れ付いて満足したのか、ネルは絡ませた腕を解いて立ち上がると


「じゃ、それが終わったら、今日は畑で、お芋さんとタマネギさんとニンジンさん……あ、それとブドウさんを一房ずつ収穫して来て? 白と赤ね」


 鼻歌を歌い、家の中に戻って行った。




 * * *




 ネルに頼まれた作物を収穫するため、大きな(ざる)を傍に、畑に腰を下ろす。


 ここで暮らすようになって──最初はこんな、どうと言うことも無さそうなことにさえ、驚かされた。

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