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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
八章:神敵の獣

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お腹一杯宣言

「はい~っ。女神アレクサンドラ様からのお達しだったらしいですね~。ネル様に直接拝謁を許されてぇ~、格別の御厚遇頂いたとのことで、法皇様にお礼にお金を包むようにィ~ぃ……と啓示を下されたらしいです」(あのバカ女神、俗すぎる……)


「そ、それで?」


 俺は、からからに乾く口から、唾液を絞り出して呑み込んで、声を出すために湿らせる。


「……教会は俺たちに何をどうしろと?」


 この金額を毎年、納めてくれると言うのだ。そこには交換条件が、存在するに違いないと考えるのが普通だろう……。


「あっりませ~ん♪」


 ――その声は、底抜けに明るかった。


「強いて言えば、虐めないで下さ~い♫ 大人しく、ひっそりと暮らしてくださ~い♪ あと、えぇ~っと……? 何卒、女神アレクサンドラ様に お力添えをぉ……」「まっかせなさい!!」

 

 突然、鼻息も荒くネルは胸をぽいん♪ と叩いて見せる(……おいっ)。


「わぁ~♪ やんや、やんや~っ♫」


 虚ろな表情のまま太鼓持ちを買って出て、ぺちぺちぺちん♪ と、しょぼくれた手を打ち鳴らして、雑な合いの手を入れる修道女。


「女神アレクサンドラだっけ? あの子! あの子には優先的にアタシの力をまわしてあげる! あと、あんた! 急いで帰って法皇ちゃん(法皇ちゃん?)に伝えなさい! あんたらの所の信徒の皆に、畑の収穫を準備させるように! 秋の収穫とは別に、近日中にありとあらゆる作物を実らせて収穫をさせてあげる! ああ秋の収穫は、また別だからね? 収穫済ませたら、さっさとまた種を播くのよ? このお金のお礼に今の法皇! 伝説に残したげるわ!」


 こうなってしまったら、もう俺には――どうしようも無いのは、いつものこと。


「分かりましたぁ~。では早速、近くに待機させています、伝令に伝えてきますぅ」


「えぇ! 皆様の信頼と安心の――生命を司る白龍ネルは、あなたたちのお腹一杯をお約束するわ!」


(……なんだ、そのキャッチ・コピーは)

 

「分かりましたぁ。よろしく、お願い致しますねぇ?」

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