エロ漫画でよくある展開が目の前で……初めて見た
俺の言葉を聞いてネルは――面倒臭いと言わんばかりの溜息。
「なぁんでアタシが、人間食べなきゃいけないのよ? 動物たちに聞けば分かるけど(どーやって聞けってんだよ)、それはそれは美味しくないらしくて、不評なのが人間なのよ?」
「……それは美味しければ食べるのも、やぶさかではないと……そう言うことか?」
「あ~もう。その上、食べたら面倒臭いのが人間なのよ? 花さんの話は聞かせたでしょ? どうして好き好んで食べなきゃいけないのよ。バっカバカしい……」
「……じゃあ、なんのためにメルトゥイユを人身御供に要求した」
おれがそこまで、問い質したところで、この修道女の表情に――かすかな変化が浮かんだように見えた。
「そんなの決まってるじゃないぁ~い♬」ネルは、さも楽しみといった様子で目を細め――「アンタの血を引いた赤ちゃんの顔、沢山見たいなぁっ♪ ってね♡」
今度は一目で拒絶と分かる――恐怖の表情をメルトゥイユは、浮かべて
「わ……私は、か、神の敵の……子供を身籠らされる……と……。そ、そう言うことですか……?」
メルトゥイユからの問いかけ。その投げかけられた問いに対してネルは――今度は、もの柔らかながら、ウムをいわせず人の心のヒビや隙間に分け入ってくるかのような、強烈な浸透力を伴う妖しい笑みを浮かべ
「そう言う取引だもの……あの女神との」
修道女を絶望の淵に突き落とす言葉を口にする。
ネルがこれ以上、ロクでも無いことを吹き始める前に――俺はヴィルマを手招きして、納屋に寝かせている、チーズをひとつ持って来るように耳打ち。
「でも、嫌なら別に良いのよ? アタシも自分のつがい貸してあげるのに……それをイヤイヤとか自尊心に障るもの。強要はしないわ」
「ならばわた『――でも、その場合』」




