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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
八章:神敵の獣

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……あっ(察し)

「ん゛っ?!」


 信徒の祈りを聞き届けて、現れたとは思えない声が、女神アレクサンドラから飛び出す。


(……今、『ん゛?!』とか言わなかったか? 『ん゛?!』って?)


「……我が熱心な(しもべ)、メルトゥイユよ」


 彼女を崇める宗派の祭器、聖鈴(ガンター)の音色にも似た涼やかな声で、女神は信徒に話しかける。


「アレクサンドラ様……」女神の降臨に法悦の色を顔に浮かべる彼女。


 しかし女神に謁する彼女にかけられる、その御言葉は――残酷極まりない……と言うか残念なもの。


「……い、今……貴女は、私に……なんと言いました……か?」(んん?)


 一瞬、女神に問いかけられた内容が、理解できないといった表情を浮かべて見せた彼女だったが――少し思案。


 女神の背中側を指さし「信仰の敵」とだけ、簡潔に伝えた。


 引き()る顔で背後を恐る恐る振り返る女神。


 先ほどの慈しみの表情は、顔から飛び散るように消え失せ――

 

「ひっ?!」再び発せられる、女神らしからぬ声。


「アレクサンドラ様! 邪悪な竜を倒すためであれば! この身を投げ打ち! 及ばずながら、お手伝いをさせて頂きたいと存じます! どうか私を! 貴女様の住まう聖なる野へと……どうか! お導き下さいませ!」


 殉教の覚悟までを腹に決めた彼女は、祈りの際に(かたわ)らに置いた、先端に5枚の鍔が取り付けられた鎚矛と盾を手に、戦いの構えを見せる。


「やれやれ……。やあっと始まるのかよ。どぉれ? オレらも、ぼちぼち……もののぐの支度しちまおうぜ?」


 のそのそと。武具を用意し始めるオークの娘たち。


 周囲の様子を余所に、自身の背後に立っていたネルと顔を会わせた女神は――蛇に睨まれた蛙か(ここは龍に睨まれた女神とでも、するべきところか?)、石の彫像か何かのように固まって、身動きひとつ、取れないかのよう。

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