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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
八章:神敵の獣

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顕現する女神

 大多数の日本人にとっては、神様なんて、各種イベントごとの主催者程度の存在でしかないに違いない。正月には神社を詣で、葬儀では仏を、ハロウィンには、どんちゃん騒ぎをして、クリスマスには性夜(セイヤッ!)! ……その程度の価値しかないのが一般的な認識だろう。


 熱心に拝んだところで――それがどうなるんだ?。


 イワシの頭にも信心。偏向バイアス以外のナニモノでも無いじゃないか。

 それが嘘偽りの無い、俺の宗教に対するスタンスだ。


「……しっかし、長ぇな? オイ」祈るメルトゥイユを待つことに、痺れを切らした様子でウルリーカは、苛立った声を上げる「世話になった、このねーちゃんには、わりぃけど……面倒臭ぇし。もう、ふん縛っちまおうぜ?」


 どうするかは「お任せする」といった感じで、こちらに視線を向けるクィンヒルデと、スキュデリ。メルトゥイユを睨みつけ、イライラしつつ組んだ腕を、人差し指でタップし続けるネル(……俺に振られましてもねぇ)。


 ――彼女の祈りを待つこと、たっぷり数分。この状況で数分も祈り続けた、彼女の信仰心を褒め称えるべきか、空気の読めなさを呆れるべきか、腰の重い神を蔑するべきか……。判断が別れる所ではあったが


 彼女の必死の祈りを聞き届けた、女神は――確かに熱心な信徒の祈りの声によって、姿を顕して見せた。




 * * *

 



「……マジか」


 こちらの世界にやってきて以来、周りの奴らのデタラメっぷりに振り回され続け――もはや大抵のことでは驚かないつもりの俺だったが


 そんな言葉が、気づかない内に口をつく。


 膝を折って祈るメルトゥイユに向き合うように顕現(けんげん)した――光り輝く、神々しさを以て辺りを照らす、女神然とした存在が、信徒を見守る慈母の顔で、そこには現れていた。


「女神アレクサンドラ様!」今や滝のような汗を流し、胸を押さえて、修道女は苦し気に喘ぐ「私たちの……信仰の……敵! 邪悪な竜をお倒し下さい!!」

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