ぺったらぱったら、ぺったらぱったら 【Picture】
「う……憂さ晴らし?」
どういう思考形態なのかと、呆れて口を開きかけたが、そんなことは お構いなしと言った感じで
「溜まってんのよ! 鬱憤やら!! 性的なものも!!」
ネルは喚き散らして、俺の言葉を打ち消した。
そして声を荒げる彼女に腕を引かれ……住宅街の傍らで、なぜか営業する近所の安ホテルに引きずり込まれ、星の位置が変わるまでの間、付き合わされ続け(……別にいいけどさ)
シルウェストリスに戻るギリギリの日までの8日間。ネルの御機嫌取りに勤しむことになった……。
* * *
機嫌を取り戻したネルに身を預けられるように腕を組まれ、一緒にシルウェストリスに戻ってから幾日かが過ぎ。
あれ以降、たびたび遊びに……というかデシレアは、ほぼ毎日のように我が家へと遊びに来るようになっていた。
連れて来たペットは「錆喰らい」と言うらしい。
センザンコウにクマムシを思わせる四肢とナマケモノの鈎爪、脱皮殻が積み重なった大きなガラガラ付きの尻尾を持った「丸っこい」生き物。
錆喰らいのぴむぴむ君にヴィルマと共に餌を与え、子供特有の高音域の声を響かせていた。
餌は犬か猫に与えるジャーキーのようなノリでカッターナイフの替え刃が、彼女らの手ずから与えられ、それを目の前でチラつかされてしつけになるのか、ならないのか……。
他愛のないことを都度命じられ、御褒美として1枚1枚与えられていた。
贔屓目に見ても絵面的には動物虐待的な、なにかにしか見えない光景。
その珍妙な錆喰らいと言う生き物は、カッターナイフの替え刃を与えられると、尾のガラガラを鳴らして替え刃を瞬時に赤茶けた錆の塊に変え、口から長いピンクの舌を伸ばし蟻塚の蟻を捕食するアリクイさながら、舐め取るように錆を口に運ぶ。
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