表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
七章:大龍の姉妹

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

247/1638

決まり手は、突き放し

 ネルは、全身を忿怒に(ふる)えさせていた。目には涙まで浮かべ、悔し気に歯を(きし)らせる その姿を見て――良心が……呵責(かしゃく)に苛まれる。


「さっ? デシレア? お部屋に帰ろ? 本を読んでやるぞ♪ オズの魔法使いが良かったか? あぁ、有栖川さん? 塩を撒いておいて下さいね?」


 ネルに背を向け、デシレアの背を押し、ロビーを後にしようと歩を進める。


 姉妹同士の喧嘩に、俺を巻き込んでしまった申し訳無さ一杯の表情で、落ち着きをなくして、どうしたものかとオロオロして辺りを見回すデシレア。

 

 ――ネルは、ひとり残され膝から崩れ落ち、床に手を突いて、悔しさからか……身を震わせていた。

 

「分かったわよおぉぉおおぉぉおっ!! ばかぁーっ!!」

 

 ネルの叫び――ここに、世界そのものにも等しい、龍の姉妹同士の喧嘩が……。


 しょーもない形で、幕を閉じた。




 * * *   




 その後「では、仲直りの印と言うことで、本日は皆さまで、御夕食と言うのはいかがでございましょう?」と言うような如才のない有栖川さんの提案も有りはしたが――バツが悪い様子のネルが、この申し出を断固拒否。


「お邪魔様!!」


 涙を拭うと一言、言い放って俺の襟首を引っ掴み、デシレアの住まいを逃げるように後にした。


 そして、『門』を(くぐ)り(……この場合、この表現で合っているのかは分からないが)。何故か、現世日本に帰り?


「おい? ネル? ……なんでこっちに?」辺りの様子が、森の中の我が家でないことに気づいて襟を直して。


「うっさいわよ!」周囲に響く、怒りの声。


「腹立つ! アンタぁ!?」いつもの美貌を鬼気迫る形相に変えて、俺に向き直るつがい様「憂さ晴らしよ! 憂さ晴らしにぺったらぱったら♡ するわよ!!」


 とてもではないが……。御近所さまに、お聞き頂くに(はばか)られる言葉を、大声でネルは喚き散らす。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ