リーガル……ハイ?
「……もう良いだろう? 今回、どう考えても原因の発端は、お前の借金が問題だろうが。何に使ったのかは知らんが……」
「なっ?!」(その驚き様……まさか自分に非は無いとでも思っていたのか?)「……なに!? アンタ! その子の味方するっていうの!?」
「おぉ! 味方するね。味方しちゃうね」俺のそばで、デシレアが顔を上向かせる、髪の流れる音がした気がした。
「……ふぅ」面倒臭そうにネルは髪を掻くネル「このミスリルと、アダマンタイトだらけのギラギラ落ち着かない、この子の巣の中じゃ……、反射して砕ける思考が、雑音過ぎて……なに考えてるか読み取れないけど……」
(あぁ、やっぱり……、読み取れてなかったんだな)
――と、すると。
デシレアが俺の思考を読んでみせていたのは……ここが彼女の領域であるからか……。それとも別の理由があるということなのか……。
そんなことを考える俺を余所に、ネルは――さも「面倒臭い」といった様子を包み隠そうともせずに言葉を続ける。
「アンタね? その子の姿が、人間の子供のソレだからって、肩入れしてんじゃないわよ? その子……そんな姿してるけど、本当の姿は160億年以上生き続けてる、脱法ロリなのよ!?」
「だ、脱法ロリ?!」……いや、驚くべき所を間違えた。もとい「ひゃ、160億年?!」
「そうよ」だから子供に対するかの、庇い立ては無用と云わんばかりに。
「……じゃ、じゃあ、おねーちゃんのお前は一体、いくつ――」
「今! そんな話は、どうでも良いでしょうがっ?!」
(け、結構、歳……気にするよな? オマエ)
「……兎に角。イデアが子供の姿をしてるからって、丸め込まれてんじゃないわよ。これはアタシたち、姉妹のお話なの。アンタは空気読んで、引っ込んでなさい!」
「俺は、その『姉妹同士の』お話を、いい加減にしろと言っている……」
「……聞けないわね。えぇ、聞けません」




