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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
七章:大龍の姉妹

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絶滅

 「ほら? エメラルド。アタシを閉じ込めるんでしょ? 何十億年だったっけ? この超美しい御姉様が、世に二つと無いオブジェと化してあげるから、さっさとおやりなさいな。ポーズは、こうかしらね? ……それとも、こう?」自身が映えるポーズを考えている様子で――ネルは、あれこれポーズを取り始める。


「…………」


 ――長考。


 デシレアは、もはや理解不能を突き抜けて、目の前の姉を自殺志願者か、狂人でも見るような目で、じっと()めつけ、微動だにしていなかった。


「どうしたのよ? アタシをエメラルドに閉じ込めるんじゃなかったのぉ? アタシは全っ然構わないって言ってるのに」(煽るなぁ……)


「だから、おねーちゃん! なに考えてるのって聞いてるの!」


「別になにもーっ」


 ひたすらに聞く者を苛立たせる間延びした口調。


「……ただぁ~」


 ポージングで乱れた髪を直すと、ネルは妹からの問いに――明らかに面倒くさそうに返答。


「その瞬間、あんたの存在する世界の――アタシの影響が及ぶ、全てのものから、甘い物を消し去ってあげるって……だけのお話よ?」


「なっ?!」稲妻に撃たれたかのように固まるデシレア。


「我慢できるかしらねぇ~? 甘い物を取り上げられて、あんたが永遠の生を過ごすなんて」


「ふ、ふん! そ、そ、そんなものが、なんだって言うのよ!」


 それが強がりなのは、傍目(はため)から見ても分かる。ネルの言葉を借りるなら、龍が執着を示す対象。デシレアにとっては、それが甘い物なのだろう。


「べ、別にケーキとか食べなくても……ぜ、全然平気だもん! 乙女だもん! ダイエットには、丁度良いもん! 果物か、なにかで我慢するもん!」


 デシレアが、おしゃまな物言いの強がりを口にすると、ネルはその強がりを踏みつけるかのような、反論を許さない強い口調で――


「アタシは『全て』って、言ったわよ? あんたの周囲に存在する全てから――生命を司るアタシが……ショ糖も、果糖も、ブドウ糖も、天然由来の甘みを感じる物質を宿す全ての種を、……絶滅させてやるって、言ってんのよ」

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