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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
七章:大龍の姉妹

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姉妹相搏つ

 デシレアの周囲に、一目で分かる力の(たぎ)りが、渦巻いているのが見える。


 おまけにネルは姉妹で一番弱い?! 初めて耳にした話ではあったが……。分からないではない。アイツは明らかに……本来、争いごとには向いていないように思える。

 

「そうねぇ? アタシは確かに――姉妹の中では最弱かも知れないわねぇ?」けれども何故だかは分からないが、その笑みは不敵な余裕を湛えていた。


「……でもね、その姉妹の中で最強の長であり、長姉……赤龍のベルタすら、アタシを怒らせないようにしている理由も、思いつかない時点で……あんた、お話にすらならないわね?」


「むぅう! もぉ……怒った! どーせ、おねーちゃん死なないんだから、エメラルドで何十億年か、インクルージョンにしてあげわ!」

 

「アァ~っハッハッハッ♪ ホントに、お話にならない子だわ♫ あんた! あぁ可笑しい」


 身体をくの字に折り曲げ、ネルが笑う。

 

 その様子に、心の中で密かにデシレアを応援する俺。


(頑張れ……デシレア。ネルの鼻っ柱を叩き折ってやれ。そいつは、たまには痛い目を見ないと、絶対にダメだ)


 ネルの余裕たっぷりの様子に怖じ気づいたのか、それとも彼女たち龍同士で思うことが何かあるのか、姉妹として超えてはいけない一線を踏み止まろうとしているのかは、解らなかったが――


 デシレアは、ネルに攻撃を加えることを躊躇していた。


「……一応、最後に聞いてあげる。何を考えてるの? おねーちゃん」


「なになにぃ~? デシレアちゅわァ~ん♡ お姉ちゃんが怖くなって、もう降参でちゅかァ~? がんばえぇー♪ デシレアちゅわあぁあん」


 ネルは煽りに煽って、得意絶頂といった感じだったにも関わらず、一言。


「……飽きた」


(お前は、そういう奴だよね……ホントにね)。

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