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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二章:シルウェストリスへ

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言い出すとは、思ってた……よ?

「オーサは?」聞くまでも無いことを、わざわざ聞いてしまっていた。


 姉から、あれだけ恥ずかしい目に合わせられたのに……。俺なんかと合わせる顔も無いに決まってる。


「オーサ? なんか顔、真っ赤にして帰って行ったわよ?」


(……なんかじゃないだろう。何故、分からん?)


「アタシ、悪くないシィ~。あの子が、なんだかアンタと小難しい話を長々続けてたのが悪いんだしぃ~」


「……つまり、先ほどの仕打ちは、聞かれたくない昔話を……打ち切らせたかったからしてのけた……と。イイ性格してるよな、お前。鬼か……」


「龍でぇ~~~す♪」


「やかましい」


 他愛のない、やり取りを交わしつつもネルは、お茶を淹れて、椅子に掛けるように勧めてくれた。




 * * *




「……さてと」


 一服し終えたところで、ネルは話を切り出す。


「え~、アタシのおっぱいを吸って、一気に若返ってしまって、お困りのアンタ!」


「……あぁ、すっげぇ困ってるよ。どーしたらイイんだよ? あちらじゃ社会生活に不具合出まくりだよ? 多分。車の免許の写真とか、学生証とか、顔認証要求された時とか、困るどころの話じゃねぇよ……。幸い、俺のスマホに顔認証付いてないけどな」


「まぁまぁまぁ♪ 大した問題じゃないから」


 さも、つまらない話であるかのように、コチラを手で、パタパタと扇いでみせる彼女。


「じゃあ、早くなんとかしてくれ」お茶を飲み終えた俺が急かすと、ネルは「早くなんとか? できないわよ?」あっさりと。


 それはできないことであると、にべも無しに。


「……は?」


「心配しなくても、問題解決の方法はあるのよ? ここに住めばイイのよ」


 意外なことに……ネルの言葉に、あまり驚きを覚えなかった──俺がいた。


「なんかね……うん。言い出す……とは思ってた」

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