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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
七章:大龍の姉妹

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三食昼寝おやつ付きと言う、過酷過ぎる……人質生活!

 部屋に据え付けられた大仰で高価そうな時計が、10回の鐘の音を鳴らした。


「おや? もう、こんな時間ですか」執事さんは、時計の方を一瞥すると、部屋をアレコレ見回し、不備が無いかを確認してからーー


「それでは百千万億様。今晩は、ゆっくりとお休み下さいませ」来た時と同じように、カートを押して、部屋を出て行く。


 有栖川さんを見送った後で。


 一人残された、広すぎて落ち着かない部屋を見回して、なにかと疲れ果てていた俺は、久しぶりのまともな風呂に入って、その日、休むことにした。

  



 * * *




「デシレア~? ホットケーキ焼けたぞぉーっ?」


 せがまれて厨房で焼いたホットケーキを持って、デシレアの部屋へ。


 カーペットも、クロスも、若草色の落ち着いた色合いの彼女の部屋に入ると、待ち切れないと言った感じでデシレアが脚にまとわりついてきた。


 有栖川さんに、お茶の用意をさせ、この子は――お世辞にも、上手く焼けたとは言い難いホットケーキを前に、宝物を見るかのように瞳を輝かせる。


 お茶の用意が整い、デシレアが頬張り出すのを眺め


(……なんか借金の形としての人質生活じゃ無くね? これって)


 有り得ない厚遇に考える。


 毎日が、王侯貴族の生活のまさにそれ。


 デシレアに連れて来られて、かれこれ10日と数日を数える。


「そんなに良いものじゃないよ? おにーちゃん」


 無心にホットケーキを頬張っていた、お子様の口から含蓄(がんちく)を感じる言葉が――甘いケーキには、合わないとばかりに口から吐き出される。


 云わんとするところは、分かっていた「退屈」


 シルウェストリスにやって来て、しばらく経った頃に感じた、

 ――退屈そのものの毎日。


 どれだけ豪華な食事に、住まい、ベッドに、ジャグジーを以てしても、どうにもすることができない困った代物が、この「退屈」と言う二文字。

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