お、おちんちんシリーズ
夕食を終えて。
主を部屋に送った執事さんは、俺の部屋に大きなAmazonの箱をカートに乗せてやって来た。てきぱきと箱を開き、中の物を取り出して並べる。
「――こちら本日、お嬢様が贈られました「おちんちんシリーズ」の(……やめて? その呼び名)、清掃用クリーニング・キットとガン・オイルのセット。.357マグナム弾、装薬を増量したダブル・チャージ、さらに増量したトリプル・チャージ、ホロー・ポイント弾、ペネトレーター、ペネトレーターのダブルとトリプル・チャージ、.357マグナム弾が6000発、それ以外が……それぞれ400発ずつとなります。トレーニングにも必要かと考え、多めに御用意させて頂きました。それと恐らく、おちんちんシリーズの方は、明日にでもお嬢様により、百千万億様のお手の指輪に『結び付けられる』ことになるとは思いますが、指輪から呼び出す「間」が、問題になる場合も考えられますので、原寸の型をお嬢様に御用意頂きまして、職人にホルスターをいくつか作らせ後日、お持ち致します。あと今、現在――グリップ材には化石素材が、使用されておりますが……こちらは〝手溜まり〟を考えまして、オーク材、紫檀、黒檀、マザー・オブ・パール、アヴァロンのいくつかを職人に仕立てさせます」
……なんかね、もうハイとしか。
「なにか御不自由なことや、至らぬ点が御座いましたら、遠慮無くお申し付け下さいませ」
微に入り細に入り、発揮される執事さんの怒涛のホスピタリティ。なされるがままにされながら……疑問に思ったことを訊ねてみる。
「……執事さん?」
「なんで御座いましょう? 百千万億様」
「Amazonの箱が見えましたけど……まさか、こちらの世界にまで、配達してくれる訳じゃないですよね?」
「いえ、普通に配達して頂けますよ? 流石と称賛を贈らずにはいられません」
「……うそん」




