表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
七章:大龍の姉妹

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

233/1638

これを残したままでは、死ねない

「……後は、宜しくお願い致しますね?」


 そして大声で泣きじゃくり始めた義妹(いもうと)を、必死にあやし続けること2時間。


 ようやく、この子が泣き止み始めた頃に、甘い香りを漂わせて、ザッハトルテを届けに執事さんは、戻って来てくれた(……つ、疲れた)。


「お嬢様のおもり、お疲れさまでした」出て行く時と同じく、耳打ちで労ってくれる執事さん。お茶の支度を素早く整え、主を席に着かせると、テーブルを囲んでの遅いお茶。


 泣き腫らした大きな目に――涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を、甲斐甲斐しく世話する執事さん。されるがままに、切り分けられたケーキを大きくお口を開いて――もっ! もっ! っと、言った様子で頬張るデシレア。


 お茶が終わると執事さんは「夕食は少し遅く、致しましょうか」涼し気な笑顔で、そう言い残して立ち去って、デシレアも「ケーキ食べたから……お部屋でお休みする」とぼとぼと退室。


 広すぎて落ち着かない部屋に、人生で初めて目にした銃――《ル・ズィズィ・ドゥ・モン・フランジャン》と名付けられた2丁の回転弾倉の拳銃と、それと《Il(イル) est() mignon(ミニョン).》 /「彼、かわいいわね♪」。


 同じく、おちんちんメタファーな名称が刻まれた、上下2連の小型拳銃2丁と共に、部屋に置き去りにされた俺の口からは――水木しげるが描く魂の様な、大きな溜息が漏れ出して。

 

「……百万年以上も残るとか」


 俺〝自身〟が存在していたことを示し続ける、考えものな、これら。うかつに死ぬに……死ねないってことじゃないか……。おまけに――」


 回転弾倉の拳銃に、それぞれに刻まれた文字。


 《Blanc(ブロン) pur(ピュリ) innocent(イノセント)》/「無垢な純白」

 《Noir(ノワール) Obsessionne(オブセッショナル)l》 /「淫猥な漆黒」


 その刻印に頭が痛くなった。


「……一体、俺は。どれだけ、おちんちん自慢な奴なんだよ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ