最強! 絶対殺す弾 【Picture】
恐る恐る「……なんかさ? 俺の聞き違いじゃなければ……最後の方でオーサの名前が出てた気がするんだけど……?」
以前ネルに聞いた、彼女らの末妹オーサが司る――恐ろしい力についてを思い出し、気が気でないどころの話ではなかった。
「……えへへっ。おにーちゃんのために頑張って『最強! 絶対殺す弾』を……オーサちゃんの牙の化石から作ってたんだけど……」(絶対殺す弾って、名前はどうにかならなかったのかな? ……化石?)
「危うく、この世界を壊しちゃうところだった……」
可愛らしい、はにかみの笑顔で恐ろしいことをサラリと。
「……あの? デシレア?」もう話のスケールが大きすぎて……ついて行けなくなりつつあった俺は
「なんだか厚かましいようで……聞くのも躊躇われるんだけど……プレゼントって」
彼女の心尽くしの内容についてを確認せずには、いられない。
創り出すに当たって――手違いひとつで、世界を壊す可能性があったと言う〝付録〟が付けられた拳銃に視線を向ける。
「うん♪ おにーちゃんにあげる♫」
後ろ手に手を組んで――今か、今かと俺に褒めて貰えると確信して待ちわびる彼女。
「……銃とか撃ったこと……無いんですけど」
「大丈夫! おにーちゃん! 頑張って! 練習して!」
「練習しても……人どころか、動物だって……撃てない気がするんですが……」
「世界は弱肉強食だよ! でもわたしは、お肉よりパンケーキが大好きだよ!」
「いっそ……こちらで使えるスマホとか、タブレットとかの方が嬉しかったかなぁ……って」
――やんわりと御遠慮したかった。……できれば、この子の好意を踏みにじらないで済ませられる形で。
「……ひょっとして、コレ……要らない?」何かを察した表情――。
「……どうしよう。おにーちゃんに喜んで貰おうと思って……刻印に〝おにーちゃんの〟って……もう刻んじゃった」
「しまった」っと云わんばかりの面持ちで――何かを考え込み始める彼女。




