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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二章:シルウェストリスへ

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できるかっ!

「アンタ。ちょっと実演してみて? さぁ早く。アタシにしてくれるみたいに、ネチっこかったり、激しかったりする感じでよ?」


「す、す、す……する訳が無いだろう! てか、なにを言い出すんだ! お前は?!」


「アタシだけおっぱい出るなんて……もし、これがなんかの病気とかだったりしたら、どうするのよ?!」


「お前は生命を司る龍で、どーとかって話じゃなかったのかよ!? 自力で治せ! 治してみせろ!!」


 そんなことを言いつつも、オーサに視線を向けて、その黒いドレスの下に隠された──白く小振りな……無垢で、艶やかな胸を想像してしまうダメな俺。


(……しまった!?)


 そう思った時には、あとの祭りで、俺のイメージしたことは──ネルとオーサの2人に、しっかり読み取られた、あとだった……。


 にやける不埒な姉と義兄から逃れようと、羞恥に顔を赤くし、固く目を閉ざして必死に、もがく義理の妹。


 自分の好奇心を満たすためだけに、引き合わせたばかりの、義理の兄となるらしい男の目の前で、実の妹の胸をモミモミ、モミモミ♪ ネルは一言。


「……揉みなさい」


 まるでマフィアの女ボスか、なにかが手下に指示でも下すかのように、ドスの利いた口調で──とんでもなく悪い表情の笑みを浮かべて


 あまりの収拾のつかなさと、その場の空気の、いたたまれなさに耐え切れなくなった俺は


「んなことできるか!!」


 飛び込むように小屋の中に逃げ込んでいた。




 * * *




 小屋の中は、意外にもしっかりと片付けられ、隅々まで清掃がなされていた。


 家具はあまり無かった。


 あるものといえば、少し大きめのベッドがひとつ。


 脇にサイドテーブルがひとつ。


 食卓と思しいテーブルひとつと丸椅子が2脚。


 暖炉と食器棚にタンス、そして水瓶がひとつずつあるのみ、


 と言う質素で慎ましやかなもの。


 そして、風呂は……やはり期待できない様子。


「どお? 意外としっかり残ってるでしょ?」小屋に入って来たネルが、得意気に話す。

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