星が誕生するかの様な
「ヒンジを含めるフレーム強度確保の為、材質にオリハルコン、アダマンタイト、ミスリル、モリブデンを3:4:2:1で合金化して使用」
「合金化に際して、冷却に100万年に摂氏1度のペースで冷却した金属組織の構成を再現。素材表面に雪の結晶状のウィドマン・シュテッテン構造の発現を確認――合金化成功。銃身は純オリハルコン……」
デシレアの眼前に光が集まり、その中央で星が生まれるかのような輝きを放ち――2丁の拳銃が現れる。
映画か何かでお目にかかる程度で――さして銃に詳しい訳ではなかったが……形を見る限りロシアン・ルーレットだったり、ルパンの相棒なんかが使う類の拳銃だとわかった。(……あの? まさか……プレゼントって……これのことですか?)
デシレアの奇跡の業は、息も吐かせないほどに、更に続く――
「再装填用スピード・ローダーを12個出力――バックアップ・ガンとして同一素材、同口径規格弾を使用する、上下2連のコンシールド・ガンをスリーブ・ガンとして生成――出力」
「ワイルドキャット・カートリッジとして、オリハルコン弾芯のパーシャル・ジャケット弾を生成。ギルティング・メタルには、ミスリルとイリジウムを合金化したものを採用。36発を生成――出力」
「〝オーサちゃん〟の抜け落ちた牙を圧縮形成――滅びの神咒を刻印。2発生成に成功……引き続き生成を継続……、――これ以上の生成は、世界律波形モデルを危険域に陥れる可能性が極めて大!! 全作業工程を強制終了!!」
部屋を明るく照らし続けた、緑色の光が急に消える。そしてデシレアの前には2丁の拳銃と、同じく2丁の小さな拳銃らしきもの――後は、何か分からない小道具が複数、宙に浮かび漂っていた。
「ふぃ~っ♪」安堵の息を漏らして前髪の下に隠れた広いおでこを袖で拭う義妹。「調子に乗って危ない所だった」(…………)




