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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
七章:大龍の姉妹

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「……なんか。傷だらけだね。それにフツー」あまり興味も湧かなかった御様子「良かったら直してあげようか? わたし得意だよ。こういうの」緊張が背中を走る(剣がボロボロだから……直す? それって……)。


 つまり、続く言葉には「その剣でデシレアを愉しませるために何かと闘え」そんな言葉が続くのかと身構えたが――どうやら、違うのか。


「おにーちゃんは借金の形なんだよ? なんで、わたしがそんな危ないこと、おにーちゃんにさせないといけないの」


 もはや親しみすら覚える、可愛らしいふくれっ面での非難。


 地獄のような思い出しかないけれど……。その傷のひとつひとつには、文字通りツォンカパとの思い出が刻まれていた。この剣を直すと言うのは……。


 少しだけ感傷的な理由から――考えるものも……無いではない。


 けれども……何故だろう。なんでだろう……。


 この剣に関わる、あいつとの思い出を……思い返していると――ふつふつと、湧き上がってくるかのような腹立たしさを覚えるのは。


 申し出に悩み続けていると、あいつのむさ苦しい顔が浮かんで「平時に戦に備えずしてどうする」と、それをお前が言うか? と突っ込みたくなる様なことを口にした――気がした。


「うをぉ願いしゃッス!」それに関する料金などについても、まあ……考えたものの「あ~。おにーちゃんと、おねーちゃんが、びんぼーなのは知ってるから、これは気にしなくて良いよ? 特別にタダでやったげる♪」


 いたずらっ子のような笑みを ひとつ浮かべる義妹。そして――


 ふっ、と息を剣に吹きかけると彼女は、修理を それで完了させてしまった。

 



 * * *




 なにが起こったのか、まるで理解できなかった。


「ハイ♪ どーぞ♫」


 両手で捧げ持つようにして、剣を差し出す彼女。


 剣身を光にかざしてみる。表面には微細な傷「ヒケ」すら見て取れず、研ぎ澄まされた刃に落ちる光の粒を、鍔元から切っ先まで――

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