あの女! 一体、いくら借金こさえやがった!
「だから頑張って、わたし造っちゃった♪ 自分の巣として、エメラルドより稀少なミスリルと、アダマンタイトだけで造られた、お城を♫」
「ミスリルと、アダマンタイトって……。魔法の武器とかを作るのに使うって言う……アレか?」
以前、それもこちらに来て、すぐの頃。
シルウェストリスについての知識を、ネルに教えて貰っていた時に聞いた話を、思い出していた――こちらの世界に存在する希少金属の名前のいくつかを。
その内の……2つのみを使って造られた――……城っ?!
そこで突然、自分の身の上を思い出す。
俺はこの子に……ネルの借金の形代わりに、差し押さえられたのだ。こんな住まいに住む……この子が、わざわざ自ら取り立てにやって来るほどの借金。
――考えただけで、目の前が暗くなる。
「ふっふっふぅ~♪」この子ら、特有の能力であるところの、俺の頭の中の考えを読み取ってみせた〝らしい〟彼女が――可愛らしくも、なにか重大な、恐るべき企てでも隠しているかのような不穏な笑みを漏らす。
「……そうだよぉ? おにーちゃんは借金の形なんだよぉ? 人質だよぉ? 籠の鳥だよぉ? おねーちゃんの領域と繋がる門のチャンネルも変えて置いたから……おねーちゃんも助けには来てくれないよぉ? でも――助けに来たとしても無駄なんだけどね♪」
うしろに手を組み彼女は、俺の周りを行ったり来たり。
「……なんか。ゴメンな……デシレア。アイツの借金は、俺も頑張って返すからさ」
観念した俺は――義妹に対して、心の底からの謝罪を口にしていた。
「利息代わりにもならないと思うけど……。とりあえず……掃除でも洗濯でも、なんでも言ってくれないか? させて貰うからさ」
「……ほ……本当に?」大きな目で俺を見上げ。
「でも、電気が流れる鉄骨を渡るとか、命に危険がある内容だけは勘弁してくれ? こんなこと言える立場じゃないかも知れないけどさ……」




