頼むから、俺をまき込むな
それまでクールな表情を崩さなかったオーサが、驚いた様子で身をこわばらせる。
「……ね、ね、姉様……一体……い、いきなり……なにをし、し、して……」
「んー?」
オーサの声を上の空で流して、彼女の胸をこねくり回し続ける。
「いえ……ねぇ? なんかアタシ、おっぱい……出ちゃうじゃない? これってアタシだけなのかなぁ~って……。イイ機会だし。う~ん……出ないわねぇ。サイズの問題なのかしら? ……あ、先っぽはっけ~~~ん♪ ココを……摘むように……」
「……で、出る訳が無い。……私たちの、この姿は仮初の姿でしかない……外見だけの……哺乳類の育児のための器官が機能する訳が……無い……。そもそも私たちには……同種のオスが、存在しない……」
「……お、おい? ネル? いくら妹だからって……流石に……や、やめて……差し上げろ?」
見ていられなくなった俺が、オーサに助け船を出すと──ネルは、なにやら思い当たった御様子で一人、うんうん頷き始め?
「そうか……そうよねぇ。そうだわ……うん」
(ロクでも無いことを言い出す、前振りにしか思えないのは、何故だろう……)
「ちょっと。アンタ?」
「じゃ、あとは……。姉妹、水入らずと言うことで」
「なに逃げ出そうとしてんのよ……」
俺とネルのやり取りの間中も胸をこねくり回され続け、身を捩って──姉からの辱めに、健気に耐え続けるオーサ。
なんか君……こんな姉が居て、ホント可哀想。
「多分、あれよ……あれなのよ」
「……なんだよ? あれって」
「ひょっとすると……オスに揉んで貰わないと、おっぱいは……出ないものなのかも……知れないわ」
「!! ! !? ?? !」
恐怖に顔を引き攣らせるオーサ。
そりゃあね? 義理の兄になるって言っても、ついさっきまで、赤の他人だった男の前で(彼女たちからすれば、そうでも無いのかも知れないけれど)姉に無体を働かれて辱められるとくればね。
分かる分かる。
……えっ? 無体を働く輩の頭数に……俺も加えられてるのか?。




