予算編成会議(我が家の)
仕方もない上に……本当に気にすることでもないのかも知れない。
そう自分に言い聞かせ、俺は指輪でネルに、荷運びに必要な人手を、こちらに向かわせるように頼むことにした。
* * *
「金貨165枚で売れたァ?!」
荷運びと荷解き、それとベッドの組み上げを終え、スキュデリが帰るのを待ってからの夕食時。売れたワーグの毛皮について皆に説明。
「……信じられん」口元を押さえて、考え込むクィンヒルデ「確かにそうそう……お目にかかる代物ではないが」何やらワーグの毛皮についてを思い巡らせている様子。
「あの、パッとしねぇ色合いの毛皮がなぁ……。おまけに、あの硬い毛並み。ガキの頃……抱きついた瞬間に後悔した……親戚のおっさんの腹の毛を思い出すぜ……オレぁ」
幼児期のトラウマの様なものを聞かせてくれるウルリーカ。自然と頭の中でコラージュが作成されて状況が再現される。
(……あ、アレ? ちっちぇ頃のこいつ……なんだか可愛いぞ??)
「わしのグリグリの御利益じゃの♪」
土産に買って来てやったチャームを、ご満悦気味に眺めて、さも自身の手柄であるかのように話す褐色ロリ。
「ど、ど、ど、どうしよ!? 何買おう! あちらに行けるのは……あと10日後……ガブガブくんと、カットマンゴーとアタリメと……」
(金の管理だけは、絶対お前に任せないことに決めたんだ……)
夕食で使った食器をまとめ、テーブルの上に貨幣を並べて見せると、顔を輝かせる女性陣一同。金貨155枚と、両替商で換金してきた銀貨550枚に銅貨758枚。
「……とりあえず、ウルリーカ、クィンヒルデ、スキュデリ。お前たちには支度金を都合して貰ったお返しってことで……金貨を1枚と、銀貨を60枚、それと銅貨を100枚ずつ……利子と言うか、お気持ちって奴だ。取っといてくれ。要る事もあるだろうしな」
それぞれにテーブルの貨幣を分けて、渡すと顔を見合わせて、黙り込む3人。
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