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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
六章:プレァリアの街

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俺が、なにをしたってんだ

 ――朝から、スキュデリの機嫌は芳しくなく、何故か彼女は目の下にクマ。


「スキュデリ? 大丈夫か? ロクでも無い環境だから、仕方も無いけど……」


「知りません!」


 むくれ上がるスキュデリの様子に、俺は困惑。……こいつが、こんな様子を見せるほどのなにかを……俺は、しでかしたのかと。


 思い返してみようと、必死に頭を悩ませてみるが――なにも思い当たらない。自分が、なにかをやらかしたと言うのであれば、謝りようもあるのだが……。


 部屋の扉がノックされた――。


「おはようございまーす♪ 良いお天気ですよぉ。アレアレぇ~? スキュデリさん。目の下にクマができてますよぉ~? これは朝から……懺悔頂かないと……いけない展開ですか~♡」(相変わらず下世話な奴……)


「何もありませんでした!」こいつにしては、声を荒げての否定。「……そ、それは。酷い、ご主人様も居られたものですね……」


 なにやら親身に憐れむ修道女。(何が、どうしたってんだ……)


 メルトゥイユに連れられ朝になり、店仕舞いしようとしていた昨夜の酒場に、裏口から入り込み欠伸(あくび)まじりの商売女たちに混ざって、店主が運んで来た朝食を摂ることに。


 スキュデリは女たちに囲まれて、俺の制止も間に合わずに、離れのテーブルに連れ去られて行く。


 そして終始、皆。小声で話し始め。


 商売女たちは時折、声を大きく上げては――俺の方を向いて、落ちかけた描き眉を吊り上げて見せていた。(朝から針のムシロとは、この店……サービスが良いわ)


 早々に朝食を済ませると俺は一人、教会に逃げ込んだ。そしてスキュデリが戻るのを待ってから――昨夜、メルトゥイユに聞いた、毛皮を扱ってくれる店に向かうことにした。

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