表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
六章:プレァリアの街

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

209/1638

水清過ぎて

「……運営が、上手く行かないんです」


 メルトゥイユは唇を噛みしめ、悔し気に現状を説明してくれた。


「なんとなくではあるけど……理由は分かる……よ?」俺がそう返すと、彼女は


「ほ、本当ですか?!」


 まるで救いの主にでも、すがり付くかのように席を立ち、俺の横にやって来ると(……近い近い)


 手を握り締めて、訴えかけて来る「……なにが……問題だったのでしょう……」


「……う~ん」悩むまでもなく、おおよその理由は想像がつく。


 けれども……だからといって、それが解決できる問題かと言うと……。


「一応、聞くけどさ?」確認を取る意味で、メルトゥイユに訊ねてみる「なんでしょう?! なんなりとお聞き下さい!!」握る俺の手に力を込め(『なんなりと』と言われると……邪な考えも、首をもたげないではないけど……)


「聖鈴教会が、ギルドを運営するようになって……変更された規約だったり、変わったことって……どんなことがあるのかな?」


「変更……ですか?」


 細いおとがいに指を当て、どこを見るではなく、仰いで……。


「まず建物が変わりました! 酒場併設、おまけに宿だなんて、だらしないにもほどがあります! 本部にお願いしたら即、教会の建設費も下りました♡」(…………)


「……ほ、他には?」はっきり言って……。この時点で既に彼女に、これ以上聞くべきことはなくなってしまっていた。……のだが? 念のために、さらに話を聞いてみることに「……他にですか? ……えぇ~っと……」


「聖鈴教会の教えを取り入れ『弱者の救済』『奉仕』『喜捨』。組合員の相互扶助を目的とした基金のために、受けた依頼の報酬の一割を徴収。祝祭日は、教会に集まっての礼拝の励行。日が沈んでからは、教会に組合員の皆で集まって、女神アレクサンドラ様の有難い教えを学び……楽しく讃美歌を歌って〆っ」


 なおも必死に変更が加えられた箇所を律儀に挙げようとする彼女。


「もう……良いよ……。想像した通りだったから……」


「え? よ、よろしいのですか?」さも、驚いた様子で。


「はい。よろしいですとも……」つまりは、想像した通りな訳だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ