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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二章:シルウェストリスへ

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オーサは、ウンコ棒を装備した!

「大きくて……豪華なお城だったんだけど……。アンタが死んだ後、仲が良かった領主に買い取って貰っちゃった♪」


『大きなお城だった』と言うことは……俺が想像したイメージからも、あまり外れていなかった訳だ。


「どーしてまた?」


「……お金が必要になりましたもので……つい。今は後悔している。でも、反省はしていない」


 ネルはふん反り返り大きな胸を、これ見よがしに鼻息も荒く張ってみせる。


「さ♪ 立ち話もなんだし、中に入りましょ?」




 * * *




 言われるままに、小屋の中に入ろうとすると、入り口のドアの蝶番が、小さな音を立てて開き、中から1人の少女が姿を見せた。


「お帰りなさい……姉様(ねえさま)


 出迎えた少女は、年の頃10代中半(なかば)くらい。


 レースをふんだんに使用した、黒一色の高価そうなドレスを身に纏い、黒く真っすぐなストレートの髪を肩より下まで伸ばし、前髪は真っすぐに切り揃えていた。


 その黒い瞳をした少女は、肉感的なネルとは対照的に、外見から見て取れる年齢相応の──どちらかといえば華奢で可憐な印象を受ける。


「ただいまぁ♪ オーサ。他のみんなは?」


 大人びた表情を見せる、とても姉妹には見えない少女を問答無用に抱き締める。


「他の姉様方は、もうみんな、それぞれの領域に帰っていったわ……私も、もう帰る」


「みんな勝手ねぇ……アタシが戻って来るまで、待ってくれていても良いのに……」


「あなた以上に、好き勝手に生きている姉様は……他に居ないと思う」


 オーサと呼ぶ少女の言葉を聞き流し、ネルは抱きしめていた妹を解放すると、先ほど量販店で妹への土産だと言って俺に買わせた──ウ〇コ型のクッションが、先端に取り付けられたプラスチック棒……正式には、なんと言う商品なのかは分からないが……略して『ウ〇コ棒』を「はい♪ コレお土産♡」と手渡し、留守番を姉たちに押し付けられていた妹を労った。


 ぴゅん! ……ぴゅん! ……ぴゅん!


 ネルに手渡された『土産』とは名ばかりの(ある意味、土産と言えなくも無いのか)、意味不明な品をオーサは上下に振り──文字通りに持て余しているかのよう。

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