訳がわからない
「確かに……貴方に、オークの都合を押し付けるのは無体と言うもの。謝罪しよう」
(……そうそう)
「――だが、戦士として生まれついた私にも、通すべき筋と言うものがある」
(…………)
周囲の皆に助けを求める視線を投げかけ……見回す俺。何がどうした? といった感じの怪訝な表情で、顔を見合わせるオークたち。
(お前らにとっては……至って普通のことですものね……。助けを期待した俺が、馬鹿だったよ……)
こいつらオークたちは。とうとう最初から最後まで――俺にツォンカパの死すら、悲しむ暇を与えてはくれなかった。嘆き悲しんだところで、あのオークが、それを喜んでくれるなどとは、思えはしなかったけれど。
* * *
「ネルの姐さんよぉ! コイツァどこに運ぶよー?」家の外で、バタバタ走り回るウルリーカの声。
「空いてる納屋は勝手に使ってくれて構わないわよ~」それに呑気に間延びした声で応じるネル。
「村で頂いて参りましたワーグの毛皮は、どちらに運びましょうか?」
一枚が、ちょっとしたカーペットのサイズと重量があるというのに――それを数十枚、まとめて軽々抱えて帰って来たスキュデリが顔を出す。
「……それは、家に入れると煤が付きそうだし……納屋は湿気を呼んで駄目になりそうよね。……う~ん。ひとまず納屋。直接、下には置かないのよ?」
てきぱきと片づけを指示する声を、居心地悪そうに耳にして
「……その……私も何か……手伝えることでもあれば……仰っては頂けないだろうか……」
クィンヒルデが、おずおずと。
「貴女は、ぶきっちょさんなんだから、気にしないで良いの。それぞれが出来ることをやればイイんだから気にしない!」
きっぱりと、はねのけられる申し出――その御断りの一言に、打ちのめされた様子を見せる彼女。




