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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
五章:価値観の違いは如何ともし難い

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ココかぁ~? ココがえぇのんかぁ~?

 けれどツォンカパと経た月日は、どうやら気づかない内に……俺にとって、大きな財産となって、実を結んでいた。


 鼻の奥に湧き起こる幻臭(げんしゅう)と引き換えに、ほとんどの言語を数ヶ月程度で修得してしまう、ネルに作り変えられた「このバカげた頭」は、相変わらずの吸収力で、あの迷惑で厳めしいオークが、生涯を通して身に着けた武術の大半を、つぶさに我がモノとしてみせたらしい。


 ――クィンヒルデが振るう魔剣は、終始(かす)める気配すら見せなかった。


 想像以上に目も、身体も、剣も、自由に動いたように思う。


 奴との立ち合いでは一度も「良い形」になんて、成ったことすら無かったと言うのに。


 ……と言うより。


 彼女の剣は、その威力と剣速、それとリーチこそは凄まじいものがあったが――ツォンカパの剣捌(けんさば)きに比べると、あまりに若く、駆け引きという点において、あのオークの老獪(ろうかい)さには、とても及ばなかった。


 一言で言うなら、素直過ぎる剣。


 まるで重さを感じさせない、大剣の連撃ではあったが、それを――


 (くぐ)って、うしろに飛んで、間合いを取って、(かわ)して、(のが)れて、


 ――あとは、ネルのお陰で体力が尽きることが無いこちらは、クィンヒルデが、あの大剣を立ち上がれなくなるまで、振り回し続けさせるように、彼女の猛攻を誘って躱し続け、大剣が止まったら、手にした長剣の腹で、怪我をさせない程度に、ぺちぺち♪ ちょっかいをかける。その繰り返しで、ことは済んでしまった。


(……名付けて、卑剣……DQNがウェ~イ♪)


「……しっかし、このデカい剣をあれだけ振り回し続けるとか……一体、どう言う身体してんだよ」


 先ほどまで、唸り続けた大剣の剣圧を思い返して、寒いものを感じ――強張(こわば)ったままの顔で、墓穴を掘る一言を口にしてしまう俺。

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