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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
五章:価値観の違いは如何ともし難い

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見るからにサイズがおかしい、彼女のそれ

「――おい」俺がツォンカパに貰った剣が投げ渡される。


 剣は真鍮で覆われた鞘の先から、地面に落ちて金属音を鳴らして倒れた。のそのそと拾い上げ、手で土を払う。


「泉で放り出したままだったから、持って来といてやったぜ。使えよ。クィンヒルデ相手に素手で――ってんなら、どうでも良いけどな」


 意地の悪そうな表情で、口の端の片方を吊り上げるウルリーカ。


(……有難い様で……有り難くない)


 圧倒的、実力差があったツォンカパ相手であったからこそ、稽古の場では気兼ねなく、こいつを振るう事が出来た訳で……今は事情がまるで異なる。――こいつで斬れば、誰だって確実に死ぬ。


「――失礼だが、先程……その腰物を拝見させて頂いた」


 目の前に立つ、今から斬り合いを興じようなどとは、とても思えない様子の彼女が――静かな調子で、口を開く。


「寸を詰め、磨り上げた様ではあったが……流石は、ツォンカパ殿といったところか。見事な目利き。……鉄の積み沸かし、重ねられた折り返し。それが冷たく、深い鉄の地肌になって現れている。その地肌が無骨な(こしら)えとの対比で際立ち……実に美しい。強度を落とさぬ配慮からであろうが、切られていない銘。出来ることなら、是非とも知りたい所だ」


 大きな胸の下で両腕を組んで、関心事のひとつについて訊ねる彼女。

 

 話からすれば、どうやら、それなりに良い物だったらしいが……俺が彼女の求める解答を持ち合わせていない旨を伝えると「つまらぬ水を差した……聞き流して頂きたい」そう口にした後で、ひとつ静かな笑みを浮かべて


「許しも得ずに、もののぐを勝手させて頂いた、非礼に対する詫びに……私の魔剣、ウーラガンドをご覧に入れよう。スキュデリ!」

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