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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
五章:価値観の違いは如何ともし難い

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クィンヒルデからのお誘い

 埒外(らちがい)のバカな話を、このオークらしからぬ理知的な女性は――しばらく真面目に考えた後で、困ったような表情を浮かべて


「その場合……先に闘諍(とうじゃう)にて(くだ)した……。この部族の生まれであるウルリーカと、スキュデリに自害を命じた後で――頌の部族と我が夏の部族とで、干戈(かんか)を交えるより他無いな」


 八方塞がりな返答。戦いに勝った方が、敗者の全てを要求できる――このオークたちの、冷徹過ぎる流儀に従う以外に、丸く収める道はどうやらない様子。


 いつの間にか、周りの煽りたてるオークたちの喧騒は静まりーー皆、俺とクィンヒルデのやりとりに注視する空気が辺りを満たす。


「……分かったよ」


 観念した俺は、クィンヒルデからの闘諍の申し出を受けることにした。


(……死ぬことはないかも知れんが……痛い思いするのは、嫌なんだけどなぁ)


 夜の森よ割れよ、とでも言わんばかりのオークたちの歓声が沸き起こっていたが――心、ここにあらずな俺の耳には、まるで届いては来なかった……。




 * * *

 



 村の中央で焚かれた火を囲む、オークたちの輪が形を変える。クィンヒルデと俺を囲んで オークたちは皆、一様に興奮して


 誰かが、拍子をつけて足踏みを始めると、それはあっと言う間に――祭の様な空気を(かも)し出した。輪の中央で、向かい合うクィンヒルデと俺。


(……こいつらのこと、嫌いじゃないんだけど……嫌いじゃないんだけど……。どーして毎度毎度、こんな展開になるんだよ……ホントによ)


 重さ300㎏以上はありそうな、大剣を地面に突き刺してクィンヒルデは「先ずは闘諍の誘いに応じてくれたことに……深い感謝を述べさせて頂く」火に照らされた顔を(ほころ)ばせた。こんな状況でなければ声を上げて、飛び上がって、のぼせ上がりそうになる美女の笑顔。

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