オークさんは雌雄二型
生物の分野で性的二型だったか……雌雄二型と言っただろうか? 哺乳類の場合、特にオスの体格が大きくなる傾向にあると言う話は、ネットの記事か本で読んだことはあったが……。
最初に泉で、あの3人に出会っていたお陰で、そこまでの衝撃は受けなかったものの……村で目にする女性は、いずれもが肌の色が異なる以外は、整った顔立ちをした――、一言で言うなら「エキゾチックな」美人揃い。
(――そういえば、ものの本に依れば……オークって、エルフから派生した種族だとか……なんとか……)
この世界、シルウェストリスがなぜ、現世の創作上のその手の知識が、そのまま通用するのか? ということに関して、分からない事だらけではある。
俺の提案を元にしてくれたのか、村には早くも石造りの建物が今は、まだ2~3棟と言ったところではあったけれども、建ち始めていた。
復興が成された暁には、以前の村とは異なる様子になるに違いない。
村に辿り着いた頃には、日が暮れ始めていた。顔見知りとなったオークの何名かに誘われ、狩りの獲物をご馳走になると――そのオークたちと並んで、地面に敷かれたムシロに腰を下ろし、そんな風なことを考え、ぼんやりと村の様子を眺めていた。
「……なぁ? あのゴブリンたち。自由に村を歩き回っているようだけど……あんたら的には、問題無いのか?」隣に座る、オークに話しかける。
「隷従を示す土鈴を与え、働かせてみたが……今日まで問題は無かった」
「油断したところで~って、展開は勘弁だぞ……」
「……我らは、その様に甘い一族ではないが(よぉ~く、知ってる)、理由は解らぬが……確かに奴等の働きぶりについては、献身的に過ぎるものを感じなくはない。心する様、皆にも伝えよう」
「あ、いや……あまり過剰な反応は、しないでやってくれな?」このオークたちの加減の無さを身を持って知る俺は、締め付けを強化することで、ゴブリンたちが反乱に至る構図が頭に浮かび……やんわりと諫める。




