表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
終章:そして俺は、また……取り返しのつかない過ちを

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1636/1638

孵る我が子

 そんなもので……この事態に伴う、責任と言う物から逃げ果せる訳も無い。


(でも、だからって……自分の前世に……彼女を寝取られたみたいな……その上、托卵されるの? 俺?)


 托卵……そう、これは文字通りに托卵以外のなんでもない。俺は、アルパゴンの揶揄した通り、それを経験する人類初の存在となってしまうらしい。


「ツモイさん!?」


 水を流しっ放しのまま、物思いに耽り続けていた俺を――血相を変えたメルトゥイユが、息を切らせてやって来て、呼びかける。


「……急いで、急いで下さい! お生まれになられますよ! お子さんが!」


 言うが早いか、俺の手を引いて駆け出す彼女。なんだか最近、俺って……女から手を引かれて――あっちこっちに連れて行かれてばっかりだ。


 いつから、こうもダウナー系の男に成り果てたと言うのか……いや、最初からか。


 案内されるままに、連れて行かれた先は――屋敷の、俺とネルの寝室の傍ら。そこに拵えられたデシレア快作のベビー・ベッド……と言うよりも、エッグ・スタンドと孵卵器の合いの子。


 その周りには女共が、集まって――(ははっ……面白おかしいよねぇ。滑稽だよねぇ。暇潰しには最高のイベント……だよねぇ)


 物見高い格闘技イベントの観客の様に、手に汗握って卵を注視していた。その卵の最前列では落ち着きを失って、狼狽えるネルの姿。


「あ、あ、あ、アンタ! 孵る! アタシたちの雛が孵るわよ!?」


 柔らかなパステル・カラーのエッグ・スタンドの卵が、小さく揺れて――中から「てんてん♬」と言った、これまた柔らかな 内側から殻を叩く音が聞こえてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ