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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
五章:価値観の違いは如何ともし難い

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泉の3人

「待って! 待って下さいウルリーカ! これ! この剣!」

 

 背後の気配からすると、投げた剣に向かって走ったであろう、灰色の肌に くすんだ色合いのブロンドのオーク女性から声。


「おー♪ スキュデリ、気が利くじゃねーか。その剣で、この覗き野郎ブッ殺せって?」(……の、覗き野郎)


 ――ウルリーカと呼ばれた彼女の言葉に打ちのめされる。


「違います! この剣! ツォンカパの剣ですよ! 間違いありません!」


「はぁ? この覗き野郎が、ツモイって奴だってのかよ? どー思うよ? クィンヒルデ?」


「とりあえず水から上がれ、お前たち。服を着ろ」


「……ちっ。久しぶりに血を浴びれるかと思ったのによ」 


 交わされるやりとりと、背徳感たっぷりの衣擦れの音を耳にして――待つこと、数分。


「……お待たせした。こちらを向いて頂いて構わない。お気遣い痛み入る」


 お許しが出た御様子。オークの言葉ではなく、流暢な共通語。


 『出歯亀野郎』『覗き野郎』と言われて、俺は――虚ろな目で肩を落とし……彼女らの方に振り向いた。


 先程、ウルリーカと呼ばれた娘は、胸と腰を布で巻いただけの、オークらしいといえる薄着な格好で


 自前の長剣を佩き、円盾を背中に腕を組んで――面白く無さそうな顔で、木立を背に立ち


 声から察するに、長剣に向かって走ったのが、スキュデリ? ……なのか。


 アッシュ・ブロンドを鳥の尾羽か、なにかのように後ろに跳ね上げる形で纏めて、髪留めでアップに纏めていた。


 彼女も、ウルリーカと同じように薄着と呼べるほどの軽装だったが、武器ひとつ携えず――逆に得体が知れなかった。


 物腰は、この3人の中で最も……それこそ、オークらしからぬほど、穏やかな空気を携えてはいるのだが……。

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