袋のねずみさんと知れ
豆腐メンタルには、ちょっと自信がある この俺。
その一言を真正面から受け止めて、それをなんとか致命傷に抑えて、陸に打ち上げられたクラゲみたいに崩れ落ち――虚ろな目をして
「つ、ツモイさん!? ツモイさん?!」
必死に呼びかけてくれる、ルチェッタの声を遠くに聞いていた。
ひとしきり、心行くまでへこたれた後で、なんとか身体を起こすと――
「御主人様ぁ? どうされたんですぅ? ククッ……面白おかしい、悲しみの感情が感じられたんですけど?」
本当に嫌なタイミングで悪魔が、湧いて出て来た。けれども今は、渡りに船。
「ちょ……丁度、良かったアルパゴン……お前、ちょっと屋敷に戻って……ウルリーカに剣、借りてこい……大至急だ」
俺の言葉を聞くや、姿を消す悪魔。そして樹の中からは慌てた声。
⦅な!? なにする気よ?! アンタァ! そう言うのDVよ! DV! DVって言うのよ!? ねぇ知ってる?!⦆
もう……この慌てっぷりから察するに、またロクでも無い事をやらかして……こんな場所に、雲隠れしているのは間違いない。
こいつの戯言を聞いていたら いつまで経っても埒もあかない。ここは家長のの務めとして、実力行使あるのみ。
「はぁ~い♪ 借りて来ましたよぉ♬ 御主人様ぁ。いや、すいませんね。大奥様? 珍しく今回は、御主人様の方が面白そうな感じですんで、私こっちにつきますぅ♡」
悪魔は契約を絶対に守る的な事を聞いたような気もしないでも無いが……それは一体、なんの話だったのか――。
⦅……あ、アルパゴン! あんたね! 妹たち、けしかけて……ぶっ殺すわよぉう!!!⦆
悪魔が差し出した、遊糸たなびく、魔剣プルトゥングを手に鞘を払い、大樹の前で――、大ダメージの影響から、絞り出すのにも一苦労な声で 警告。
「えっ……えぇ~只今より……実力行使に訴えます。中に居られる方は……できる限り……声のする側から、遠く離れられる様にして下さぁ~い」
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